マジ恋愛☆~ブラックキャットにご用心!?~
「どこにいるんだろ………私の王子様」
橋から見えるイルミネーションを見つめながらポツリと呟く。
「は~い、あなたの王子様でぇす♪」
「えっ……」
急に肩を掴まれて、びっくりして振り返る。
そこには赤い顔にトロンとした目つきの背広を着たリーマン二人。
酔っ払いかよ。
「迎えに来たから帰ろ~♪」
「ばぁか。お前のどこが王子なんだよ~……玉子だろぉ?」
「うまいっ♪……ギャハハハ」
バカみたい。勝手にやっとけ。
さっさとその場を立ち去ろうとしたんだけど………
「どこ行くの~。ダメだよ~、俺お持ち帰りするんだからぁ♪」
うぜぇ。
「離して!……よっ?」
イラッときたついでにぶん殴ってやろうと拳を握りしめた。
時だった。
グイッ
急にリーマンと私の間に割り込んだ人影に腕を掴まれた。
「走ってっ!」
そう叫んだ人影の声に、引きずられるように走り出す。
みるみる遠くなるリーマン達。
何か騒いでるけどもう何言ってるか聞こえない。
私の腕を掴んだまま走る影。
背丈は私よりがっちりして大きいから男だと思う。
フワッと香った柔軟剤の香。