マジ恋愛☆~ブラックキャットにご用心!?~
「ちょっ……何?!」
「わかんない。身体が勝手に動いちゃった」
タクシーの運ちゃんに行き先を告げると、半分ひっくり返りそうな格好で、ビックリしてる少年に、ニコッて極上の営業スマイルを向けて見せる。
私だってわかんないのよ。
なんでこんなガキに興味持ったのかなんてさ。
でも
今思えば、本能ってやつだったのかもしれない。
一方、私に笑顔を向けられて、一瞬で真っ赤になった彼。
「なっ…何言ってんの?」
腕で顔隠して動揺しちゃってる。
やだ、マジでウブいんですけど(笑っ)
「君、名前は?」
まだ赤くなってる少年に近付いて、上目使いで顔を覗き込む。
「おっ、俺?」
「ん………」
「純…田村純(たむらじゅん)」
「ジュンくんね、私御厨実稀。ミケって呼んで♪」
「ミケ?……珍しい名前だね。なんていうか…」
「猫みたい…でしょ?」
「うん……あ、でも馬鹿にしてる訳じゃ」
「いいよ、慣れてる。気に入ってるんだ、この名前」
昔はよく馬鹿にされたけど。
まぁすぐに覚えてもらえるし、まぁいっか。って感じ。