オレンジ色の奇跡
「啓輔っ!楽しくやってるか?」
楽しそうな声が俺の頭に響いた。
「………………祥也」
「舞希ちゃん……ごめんなさい。神崎先輩止めたんだけど………」
「優衣、全然平気よ?」
七瀬は少しほっとした様子だったが、祥也はニヤリとした。
「……こんな所でコクろうとするなよ?舞希ちゃん困るだろ?」
俺の耳元で、相川と七瀬に聞こえないように呟く。
コイツ………。
「…………悪かったな」
俺は、祥也の緩くなったネクタイをおもいっきり下に引っ張って耳元で呟く。
まじでわざとかよ。
まぁ、助かったって言ったら、助かったんだけど。