オレンジ色の奇跡
◆……
振られたと思っていた。
だから、相川の気持ちを聞いたときまったく反応ができなかった。
ボロボロと音が聞こえてきそうな程泣きじゃくる相川を抱きしめたくなる。
でも、今抱きしめたら俺の理性が吹っ飛ぶ気がした。
可愛くて愛しくて……。
やっと俺のモノになった……。
―――だから大切にしたい
俺は、必死の思いで理性を抑えれば、
「……好き…なんですっ!…先輩のことがっ…それじゃ……だめ…?」
簡単に理性の壁を破りやがる。
俺は、相川を抱きしめた……。
きつく…………きつく…………。
「っ………せ…んぱい…くる…し」
「あっ……悪ぃ」
抱きしめている腕の力を緩めジッと相川を見つめた。
「…?!なっなんですか!!?」
夕陽のオレンジ色に染まっていて、相川の顔が赤くなっているのか分からないが、少しはやい心音が伝わってくる。
「……好きだ。ぜってぇ離さねぇから……」
「………あたしだって先輩を離しません。あたしの傍にいて下さい………」
やっと繋がったふたりの想い。
それに比例するかのようにはやくなる心音がふたりしかいない教室に響く。
視線が絡み合いどちらともなく顔が近づけば触れあうくらいの優しいキス。
唇が離れれば額と額をあわせて微笑んだ。
「「好き…」」
二人同時に呟けば、さっきより気持ちが強くなった。