オレンジ色の奇跡



「あっ!!」

 ケーキを頬張っていたはずの梨海がいきなり声を上げる。

「な、なに?」

 少し不審に思いながらも声をかければ視線をあたしたちに戻しながら紅茶を口に含んだ。

「あのさ、じゃんけんして。ふたりで」

「「じゃんけん?」」

「うん、いいからはやく」

 意味が分からないまま優衣とじゃんけんをすれば、優衣がパーであたしがグー。

「負けたのどっち?……舞希?じゃ、岩佐先輩に電話して」

「はっ?!何でよ!?」

 じゃんけんに負けたからって今岩佐先輩に電話するとか……。

 何考えてんのよっ!

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