オレンジ色の奇跡

「相川？」

『あっ……先輩……えっ？あっ！梨海っ！』

　相川を見ていたら後ろにいた七瀬が相川の携帯を奪う。

『もしもし？岩佐先輩？七瀬です。良かったら神崎先輩も連れてこっちに来ませんか？っていうか、来て下さい。それじゃ』

「えっ？あっ………」

　俺の耳には終話を告げる音。

「どうした？」

「七瀬がこっち来いだってさ」

「行くだろ？」

「祥也どうせ行くんだろ？だったら行くよ」

「素直じゃないなー。舞希ちゃんがいるから行くって言えばいいのにさっ！」

「………………ねぇよ」

「えっ？何て言ったんだよっ！」

「るせぇ、行くぞ」

「はいはい♪」

　“相川がいなかったら行く意味ねぇよ”

　こんなん恥ずかしくって言えるわけねぇだろ……