オレンジ色の奇跡


 七瀬の男の後についていけばすでに車の中で待っている3人の姿があった。

 助手席には七瀬、後部座席の入った真ん中のシートには椎葉、その後ろのシートには相川が乗っていた。

「相川、隣座るよ?」

「あ……はい」

 二人で座っても余裕がある。
 車内は、ベージュで統一されていて、結構、綺麗。

 少し経つとエンジン音が響き車が発進した。

「はぁ…。ねぇ、梨海?いい加減教えてくれない?なんで空港に行くのか……」

 盛大なため息の後、相川はいつもより若干低めの声で助手席に座っている七瀬に話しかけた。

「今日ねリサとジョン、アメリカに帰るのよ。だから、お見送りしようと思ってね」

 ジョン…………か。

 ふと相川を見ると、膝の上にギュッと握った2つの拳を見つめていた。

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