オレンジ色の奇跡
「舞希、超ラブラブじゃんっ♪
あんな風に岩佐先輩できるのは舞希しかいないね〜」
「舞希ちゃん幸せそうで良かったぁ」
「やっぱさ、自分から行かなきゃいけないときもあるのよねっ!
優衣、頑張れっ!」
「私、自分から抱きしめたことない……。私から………」
「なんかさ、岩佐先輩と舞希見てると、本当に相思相愛っぽくてなんか羨ましいな…。
優衣からいかなきゃダメだってっ!いつも神崎先輩からでしょ?」
気づいたら、梨海と優衣が両脇に居て言いたいことをさらさらと口に出している。
「さぁ、帰りましょうか。お嬢さん方」
数メートル前にいた耕太さんが、振り返り眼鏡を通した優しい笑みを浮かべた。
チラッと梨海を見れば少しだけ頬を染めて微笑んでいる。
「梨海〜自分からいかなきゃダメなんでしょ?」
わざとらしく口角を上げて梨海を見つめれば、
「分かってるわよ!!」
タッタッタッと梨海は耕太さんのトコロまで小走りで向かい飛びついた。