オレンジ色の奇跡
「舞希、帰るぞ?」
「……………」
怒っているのか分からないが、俺と口を利こうとしない。
「怒ってるのか?」
「……………」
「黙ってると、またするぞ?
んで、無理やりでも口開かせるからな」
「なっ!!」
やっと口を開いたと思った時、すでに顔のキョリは数十センチ。
そのままキョリを縮めようとしたら、舞希の顔が俺の肩に添えられていた。
「舞希?」
「…だっ…だから、その……
こ、こういうコトは、ふ…たりの時にして…下さい」
「わぁったよ」
舞希の頭をポンポンと撫でてから駐車場へと向かおうと舞希に背を向け、一歩踏み出したと思ったら右腕を下に引かれた。
「あぶねっ!」
下に引かれた勢いで後ろにいる舞希と目があった。