オレンジ色の奇跡
晴(はる)兄とはぐれて、この辺をうろうろをしてたら、この公園に着いたけど。
キョロキョロと辺りを見回しているとあたしの携帯が震えた。
「もしもしっ?晴兄?」
『舞希(まき)今どこだよ?!』
「小さい公園にいるんだけど……」
『……まぁ、とりあえず行くからそこにいろよ?』
「はぁーい」
晴兄があたしを見つけてくれれば、お家に帰れる――そう思った矢先。前方から、明らかに遊んでそうな男3人がこっちに向かって歩いてる。
ものすごい明るい茶髪をワックスか何かで遊ばせている三人。
うわ。 風貌が似てるなー。 もうちょっとさ、バリエーションって言うのがあるじゃん?
ていうか、何で、どうして、こっちに向かって歩いてくるんですかね?
……ってか、やばくない?
うーん。まあ、三人なら勝てるかも。 ――でも。日本に帰って来たその日に喧嘩ってどうなの?
……さすがにお兄ちゃんたち怒るよね?
とりあえず三人には絡まれたくない、その思いで、あたしはその場でくるっと男たちに背を向けてその場から立ち去ろうとした、が。
ガシッと音と共に腕を掴まれてしまった。