オレンジ色の奇跡
「……ねえ? 舞希って岩佐先輩とどういう関係?」
あたしの制服の裾を引っ張り首をかしげる梨海は、ちらりと岩佐先輩を見る。
「どういう関係って……助けてもらった?」
不思議がる梨海に疑問で返せば、は?と眉を寄せた。
「何それっ! 啓輔が舞希ちゃん助けた?!」
梨海とは対照的な神崎先輩は信じられないといった顔をしてる。
そ、そんなに驚くことなの?岩佐先輩って、見た目どおりの不良なのかな……お兄ちゃん達の友達とは違う?
どういうこと?と、岩佐先輩ではなくあたしに聞く神崎先輩。
「いや……えっとー」
どうやって説明すればいいのかな?っていうか、あたしだってどうして岩佐先輩が助けてくれたのか分かんないし……。
「そんなに食い付くんじゃねえよ。相川困ってんだろ。 それに、俺が誰か助けちゃいけねえのかよ」
間に入った岩佐先輩は、ぎっと神崎先輩を睨んだ、けど。
「だって、この顔が誰かを助けるようになんて見えないじゃん」
けろっと神崎先輩は言った。