オレンジ色の奇跡



「「…………え?」」

 予想とかけ離れた笑い声により下げていた頭を上げ岩佐先輩と顔を見合わせた。

「アハハッ!二人して土下座してるよー!」

「サクの所為だろ!」

 いつまでもお腹を抱えて笑っている二人にどうすることもできないあたしと岩佐先輩。

「……何で笑ってるの?」

 やっとのことで口から出た言葉は案外するりとその場に溶け込んだ。

「いやさ、土下座されると思ってなくてさ。
俺達は、二人がどのくらい真剣に考えているのか知りたかっただけなんだ」

「サクも俺も別に反対する理由ねぇし」

「じゃあ…なんで……」

「俺達は、舞希と啓輔が自覚してるか知りたかったんだよ。

相川兄弟の妹と岩佐啓輔が付き合うことに対してどんな風に思っているのかをね」

「朔真さん…それじゃ」

「最初から認めてたよ。
俺達が舞希に逆らえないの知ってるだろ?」

 ニッと笑いながらコーヒーを口に含む朔兄を見ていたら何だか視界が歪んできた。


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