オレンジ色の奇跡


 数秒経つと、今度は額にキスが降る。額、瞼、頬………

 再び唇に戻った時、生暖かいモノがあたしの上唇と下唇の間に触れた。

「……ん……?」

 不思議な感触に首を傾(かし)げていると、岩佐先輩の大きな手があたしの頭を支えた。

「……舞希」

 唇が触れた状態のまま岩佐先輩に話しかけられたため、

「……ふぁい?………?!」

 と間抜けな返事をすれば、すっと口の中に何か入ってきた。

 驚いて岩佐先輩を押したが、頭を掴まえられているため離れることはできない。

「………ん……は…ぅ……ふ…ぁ」

 自分の声なのかと疑いたくなるほどの甘い声に困惑してしまう。

 あたしの口の中で動き回るソレは、口内を犯していく。

 されるがままのあたしにどんどんキスは深くなっていき、立っているのがやっとだ。

 呼吸の仕方が分からないあたしは、頭がくらくらしてきた。

 足に力が入らなくなりギュッと岩佐先輩の服を掴む。

 そんなあたしの様子に気づいたのか唇が解放された。やっと解放された唇は、大きく息を吸う。



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