オレンジ色の奇跡



「……あ、もしもし?警察ですか?」

 ケーサツ?

 その言葉の響きでいつの間にか立ち上がっていた超美人なお姉さんを見上げた。

「八人の高校生くらいの男が、駅前の道を塞いでいるのでどうにかしてもらえません?」

 ……八人?
 八人=岩佐先輩+七人

 ……ですよね?
 え?岩佐先輩って絡まれただけでどっちかって言ったら被害者なんじゃ……?

「ホント迷惑よね、ああいうの」

 右手であの集団を指差し、左手の甲は右手の肘に当てている。
 なんとも様になっていますよ、そのお姿。

「あ、来た来た」

 ふふっと上品な笑みを零しながら腕時計を見る。

「そこの君たち〜!何してんだ〜!」

「……4分ねぇ」

 通報から約4分後、カップラーメンだったら伸びちゃってるけど中々のはやいご登場。
 なのに、綺麗なお姉さんはご不満なご様子で。

 警官は二人。自転車に乗り先頭を走る中年男性はチャリン、チャリン、とベルを鳴らし、その後ろには、若い男性。


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