オレンジ色の奇跡


 警官二人を見て足早に去る七人の不良達。
 逃げるってことは、何かヤバイことでもあるんですよね、やっぱり。

 そんな不良達とは、反対に服をポンポンと払いながら首を回す岩佐先輩。

 え?岩佐先輩捕まっちゃいません?
 だってこの超美人なお姉さん“八人”って言ったんですよ?

 とりあえず岩佐先輩の所まで行こうと思い、左足を庇いながら立ち上がり歩いた。

「先輩っ!」

「ん?」

「ん?、じゃないですよ!早く逃げないと………、あっ!」

 ほら!もう後ろに中年の警官がっ!
 ………って、岩佐先輩の肩に手がっ!

 ゴツゴツとした色黒く分厚い大きな手が、岩佐先輩の肩で二回ほど跳ねた。

 岩佐先輩が振り返ると、中年の男性がにっこりと微笑んでいる。

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