オレンジ色の奇跡
あ……、超美人なお姉さん。
「岩佐先輩、この人が110番してくれたんですよ?」
「げっ!」
露骨に嫌そうな顔をした後、あたしの目の前には岩佐先輩の大きな背中が広がっていた。
「え?何やってるんですか?」
なんなんだ、この状況。
もしかして、昼間にやってるドロドロっとしたドラマの再現みたいな?
三角関係ってやつですか?
……あたしが隠されてるってことは、あたしが浮気相手?
「………啓輔、後ろに隠した子って、もしかして―――」
「違っ!お、俺のいとこ!」
ふーん。
あたしは、岩佐先輩のいとこですか。そういう存在なんですか。
「何、嘘ついてるのよ。
私に嘘つくなんて100年早いのよっ!」
ふつふつと怒りが沸いてくる。
ムカつく。
なんなのよ、こんな綺麗な人がいるのにあたしに手を出すなんて……。
ぎゅっと岩佐先輩の服の裾を掴んだ。