オレンジ色の奇跡


「……………のよ」

「ちょ、黙ってろ」

「何が黙ってろよっ!
……何で?何でこんな綺麗な人がいるのにあたしに手を出したのよっ!」

「は?何言ってんだよっ!」

「だって!
あたしは、岩佐先輩のいとこなんでしょ?
あたしを隠したいほどの存在なんでしょ?!」

「舞希っ!違っ!……あっ!」

「ほーら、やっぱり。
啓輔の後ろにいる子は、相川ちゃんだ」

「っ!違う!」

「どいて」

 バッと視界が広がり、あの綺麗なお姉さんが目の前に立っている。

「……相川ちゃん?」

 平手が飛んでくることを覚悟し静かに頷いた。



< 229 / 438 >

この作品をシェア

pagetop