オレンジ色の奇跡
「……………のよ」
「ちょ、黙ってろ」
「何が黙ってろよっ!
……何で?何でこんな綺麗な人がいるのにあたしに手を出したのよっ!」
「は?何言ってんだよっ!」
「だって!
あたしは、岩佐先輩のいとこなんでしょ?
あたしを隠したいほどの存在なんでしょ?!」
「舞希っ!違っ!……あっ!」
「ほーら、やっぱり。
啓輔の後ろにいる子は、相川ちゃんだ」
「っ!違う!」
「どいて」
バッと視界が広がり、あの綺麗なお姉さんが目の前に立っている。
「……相川ちゃん?」
平手が飛んでくることを覚悟し静かに頷いた。