オレンジ色の奇跡
「舞希ちゃんって本当に晴樹の妹だね」
「え?」
「似てるなって思って」
「はぁー。普通はさ、自分の彼氏が院長の息子だって聞いたら、ラッキーとか思わないわけ?」
「別に?あたし、病院嫌いだし」
「変わってるなー、ホント」
「父さんと母さん気に入ると思うよ」
「それで?岩佐先輩、説明って何ですか?」
「さっき言ったじゃん」
「…………は?それだけ?」
「俺にとっては、重大なことだったんだよ!」
てっきり、実は許婚が……、とかだと思ってた。
安心したような、なんだか体から力が抜ける気持ち。
「それじゃ、僕はバイトに戻るね」
「あ、ありがとうございました」
あたしがお礼を言うと、にっこりと微笑み部屋を出ていった。