オレンジ色の奇跡


「おい、舞希」

「はい?」

 少し離れた所に立っていた岩佐先輩があたしの隣に腰を下ろし、あたしのことをジッと見つめる。

「俺と千紗を見て何考えてたんだ?」

「………え?」

「忘れたとか言うなよ?」

 あの、言わなきゃダメですかね?
 すごく恥ずかしくなるのと怒られそうで………。

「わ、忘れてるわけないですよ?」

「ふーん。で?」

 で?、じゃないですよっ!

 まじ、言うんですか?
 言っても言わなくても怒られる気がするのは気のせい?

「だ、から?」

「言え」

 こ、怖いですよ?

 あー、もう!言いますよ!言えばいいんでしょ!

「……先輩が千紗さんを、………かなって」

「悪ぃ。もっかい」


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