オレンジ色の奇跡


「……ん……ふぁ…あ……んぅ」

「舌、絡めろ」

 少しだけ離した唇から突拍子もない言葉。

 し、舌を絡める?!

 恐る恐る、自分の舌を動かし岩佐先輩の舌に触れた。
 ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ触れた後、すぐ岩佐先輩に絡めとられる。

「…んぅ……んぁ…ぅ……ふ」

 握られていた左手を離す岩佐先輩の右手は、何故かあたしの服の中に侵入してきた。

 岩佐先輩の大きな手は、あたしの背中を撫で上げる。

 それも、イヤラシイ手つきで。

「…せ…んぱっ、…ダメぇんんっ!」

 しゃべろうとすれば、さらに深くなるキス。

 一応、ココ病院だし。普通に、人いっぱいいるだろうから!

 空いた左手で、岩佐先輩の胸を叩く。

「…ふあ…、…はぁ…はぁ」

 やっと、離してくれた岩佐先輩は不服そう。

 いや、いや!どっちかっていったら、あたしの方が不服ですよ?

「足りねぇ」

「あたしは、充分、です!」

 岩佐先輩は「ふーん」と言いながら、あたしを抱き起こした。


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