オレンジ色の奇跡


 パッと握られたマグカップを見るとまだお湯を入れてなかったらしい。

 ドボドボとポットからお湯を注ぎながら、今日我慢できるか考えた。

 ……我慢できる気がしねぇ。

 いや、泊まるって自分で言ったんだし覚悟は出来てるよな?

 出来てなかったら………。

 か、考えたくねぇ。

「あの、先輩」

「ん?」

「邪魔です」

「あ、悪ぃ」

 マグカップから口を離し体を動かした。



< 250 / 438 >

この作品をシェア

pagetop