オレンジ色の奇跡
優柔不断で純粋で鈍感だけど、あたしにとってすごくすごく大切な友達だから。優衣とずっと一緒にいた梨海が『大丈夫よ』っていうなら、きっと、大丈夫。
「そんなの分かってる。俺は、絶対優衣を傷付けない。 まぁ、ベッドの上では鳴かしちゃうかもだけどね?」
はあ、とため息をつく梨海と岩佐先輩。苦笑いのあたし。 ただ、唯一「泣く……?」と首をかしげる椎葉優衣。
「はは……優衣、忘れて……」
撃沈した神崎先輩はがくんとうなだれながらも、優衣を抱きしめた。
「なっ!!!! 離してください! みんな見てますから……っ」
「いいじゃん。晴れて夫婦になれたんだからさ。見せびらかさないと、悪い虫が寄ったら嫌だし」
「ふ?! なな何言ってるんですか!?」
「いいよ。照れなくても」
「照れてません!!」
にこにこで上機嫌の神崎先輩に真っ赤の顔の優衣。なんかもうラブラブって感じが漂ってて……くすぐったい!