オレンジ色の奇跡


「え?もしかして、その時、髪の毛……」

「真っ黒」

 み、見てみたい!!
 金髪とは違った雰囲気を味わいたい!!

「顔でモノを言うな」

「はい……。すみません。

……あっ!そうそう!バイト先、は?」

「“Pia(ぴあ)”」

「………危ない組織?」

「んなわけねぇだろ。さっきの公園から、歩って10分くらいんとこにあるカフェ」

「カフェっ?!!!」

 カフェって、アレだよね?

 ちょっと厚化粧なウェイターのお姉さんが、営業スマイルを浮かべて飲み物とか運んで来るヤツだよね?!

 岩佐先輩の愛想笑い(営業スマイル)って、殺傷能力ありそう……。

「カフェっつっても、前に行ったみたいなとこじゃねぇよ?
俺が働いてるカフェは、昼間、オープンカフェで、夜は、バー」

「あたし達が通う高校って、お酒出してるところでバイトしていいんでしたっけ?」

「ダメに決まってんだろ。俺は、オープンカフェからバーに変わる時間帯で働いてるわけ」

「……つまり、雑用?」

「ざっくり言うな。
Piaって、俺と同級の親がやってる店なんだよ。生徒会のハヤシってヤツ分かる?」

「バスケ部で一番カッコいい先輩?」

「…………そう」

 わー!!
 いきなりのトーンダウン。

 だって、梨海がそう言ってたんだもん!


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