オレンジ色の奇跡
ホントは、今日も泊まりたかったな、なんて思っている自分がなんだか恥ずかしくなる。
でも、たくさん岩佐先輩のこと知れた良い日だったな。
久しぶりに、タケちゃん、ユウにぃ、もやしにも会えたし。
「ねぇ!晴兄」
「ん?」
「今日ね。タケちゃん、ユウにぃ、もやしに会ったんだよ」
「へぇー。元気だったか?」
「うん!元気だったよ。でも、髪の毛が真っ黒でビックリしたなぁ……。
あっ……、カズくんにも会いたいな…」
「和広(かずひろ)、に?」
「うん!」
カズくん、元気かな?
あたしが、アメリカに行ってから手紙とかくれたのに。
3年前からぱったりなんだもん。
お兄ちゃんのお友達の中で、唯一の黒髪で、一番仲良かったし……。
「……今度、会えるよ」
「約束だからね」
久しぶりに会えると思うと、なんだか嬉しいもの。
朔兄と同級生で、カズくんは不幸な事故で両親を亡くしたんだっけ?
それで、あたしが小1の時くらいから一緒に暮らしてた。
友達っていうより、家族――お兄ちゃんみたいな感じなんだよね。
いつ、会えるのか楽しみだな、なんて考えながら晴兄の背中を追った。