オレンジ色の奇跡
第5章
悲しい再会
大晦日の2日前の今日。
少し早めの大掃除をすることになった相川家。
ラフで動きやすい格好で、リビングやダイニングをちょこちょこ動き回る。
朔兄はあたしが届かない、背の高い棚上を整理してるみたい。
あたしは、キッチン周辺の掃除。
「……汚い」
「やっぱり?手伝おうか?」
「ううん。大丈夫だよ」
「あれ?晴樹は?」
「え?…………あ、いない!」
掃除が苦手なのは知ってるが、大掃除くらい手伝ってもらわなければ全て終わらない。
3LDKのこのマンション。
個々の部屋は、明日やるとして、今日はリビングやダイニング、キッチンの掃除をしなければならない。
あたしがキッチン、朔兄がダイニング、晴兄がリビング、と振り分けをしたのに。
リビングにあるはずの晴兄の姿がない。