オレンジ色の奇跡
「和広のこと、何も聞いてないもんね…」
「あ、いや…。言いにくいなら良いんだけど」
「舞希ちゃんが考えてる様なことじゃないの」
「え…?別れてない?」
「別れてない。でも……。それ以上なの」
別れてないとしたら、何?
別れてないって聞いて、凄く嬉しいのに、なんだかさっぱりしない。
何だろう、コレ。
「寛子さん……」
「けいちゃん。大丈夫なの、私」
「そうじゃなくて……」
あたしの後ろから岩佐先輩が、寛子ちゃんに話し掛けた。
岩佐先輩って顔広いなぁ…。
なんて、感心してる間もなく、ピリピリした雰囲気。
三人で話してるはずなのに、あたしだけ仲間外れにされた気分。