オレンジ色の奇跡

◆……


 消毒液の匂いのする真っ白な病室に、包帯を巻かれ人工呼吸機を付け目を閉じている舞希。

 舞希は……。

 俺の目の前で階段から落ちた。

 すぐ救急車を呼んだ後、朔真さんに連絡を入れると、晴樹さんと共に公園へ飛んできた。

 そして、舞希と一緒に救急車に乗り病院へ。

 救急隊員の人に、岩佐総合病院へ運んでもらえるように頼み運んでもらった。

 病院に着いた後は、すぐに手術室に行き治療。

 手術が終わって出てきたと思ったら、意識不明の重体。

 そして、今夜が峠、だと。

「……すみません」

 舞希の両脇には、朔真さんと晴樹さん。

 ゆっくりと俺に顔を向ける。

「別に啓輔は悪くないよ」

「俺達が隠してたんが悪かったんだ」

「………でも!」

「啓輔。お前はもう帰れ。舞希が目を覚ましたら電話するから」

「…………」

「返事してとっとと行け」

「………はい」

 唇を噛み締めながら頭を下げ、病室を出た。


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