オレンジ色の奇跡
「……あたし、どうしたの?」
「「「え……?」」」
「あ、いや……。その、ね?」
「舞希?あなた、階段から落ちたのよ?」
「……やっぱり?」
なんとなくだけど、あの公園の階段から落ちたって薄ら覚えてる。
頭に包帯巻いてるみたいだし……?
「やっぱりって覚えてるの?」
「うん。落ちたなーくらいに」
お母さんと、梨海、優衣がポカーンとしているところに、白衣を着たおじさん――先生かな?がお父さんと一緒にやって来た。
起き上がり一通り問診を受けると、お父さんとお母さんが呼ばれ、病室を後にする。
「そういえば、何でお母さんとお父さん、それに梨海に優衣もいるの?」
病室の扉が閉まるのを見て、口を開くと、再びポカーンとする二人。
「あ、舞希。明けましておめでとう」
「……ふぇ?」
「うん。明けましておめでとうございます」
「あのー?」
「知ってる?今日って1月3日なのよ?
舞希、あんたは意識不明のまま年越したのよ!!ホント、心配かけないでよね。1週間近く起きないなんて!!」
梨海はまくし立てる様に言い放ち、力が抜けたようにベッドに顔を埋めた。
優衣も優衣で少し涙が零れてる。