オレンジ色の奇跡
ほとんど完成しているパズルがあるとしたら、その未完成な部分にピッタリと見付かった残りのピースがハマる感じ。
そう。
今までなかったピースがいきなり現れた。
ないない、と探していたはずのピースがいきなり現れて戸惑っている。
“戸惑う”より“怖い”んだ。
だめ……。
来ないで………。
俯いたままゆっくりと申し訳なさそうに寄ってくる。
その金色の髪の毛から、目を逸らそうとしてもうまくいかなくて。
お互いが手を伸ばせば届いてしまいそうな距離で、あたしの頭の中が悲鳴を上げた。
「…イヤ!!来ないで…。来ないでぇ!!」
「舞希?!どうしたの?!」
「ごめんなさい…。ごめんなさ…い」
「舞希!!落ち着いて!!」
「イヤァァー!!」
叫ぶと同時に、何回も名前を呼ばれた気がした。