オレンジ色の奇跡
壊れたパズルの修復
次の日の朝、というよりはお昼近くに寛子ちゃんが病室にやって来た。
手には果物に、パン。
お見舞いってパン………?
「舞希ちゃん大丈夫?」
「うん!とっても」
「ごめんね?私がちゃんと説明しなかったから」
「セツメイ?」
セツメイ何それ美味しいの?みたいな、感じになってしまったあたしの声のトーン。
セツメイって説明でしょ?
何に対してでしょうか?
「うん。そう、説明!」
「何の説明?」
「和広のこと」
「………」
「あぁ、もう!そんな嫌そうな顔しないで」
「でも……」
「和広、ね?舞希ちゃんや朔真くん、晴樹くんのことホントに大好きだったの」
大好きだった、なんて言われても、カズくんは戻ってこない。
それに、何よりも知らされなかったことが悲しくて……。