オレンジ色の奇跡
「相川さん………」
「ごめんなさっ……」
「僕からも連絡取ってみようか?」
「ううん。それは…ダメ。自分でやらなきゃ、意味…ないの」
「そっか」
自分で連絡とって、会って謝らなきゃダメなのに……。
決意が揺らいでしまうほど、追い詰められてる。
「相川さん」
柔らかい声で名前が呼ばれた。
でも、その柔らかい声の中に淋しさの様なものが混じっている気がして、驚いて、顔を上げる。
涙で歪んだ視界を払拭し、井上くんを見れば………。
息を呑んでしまう様な、男っぽい表情。
普段、柔らかい印象しかなかった井上くんは真剣な眼差しであたしを見つめていた。
「知ってる?相川さんって、笑顔が可愛いんだよ?」
「……へ?」
「初めて会った時と、この前コンビニで会った時の笑顔は違った」
………違う?
一体、何が違うの?