オレンジ色の奇跡
「俺があいつらの気を引いてアンタが逃げられるような状況をつくる。 で、合図としてあんたの背中を3回軽く叩く。 ……3回目に俺の左側から逃げろ」
「……えっ?」
この男は、目の前にいる3人の仲間じゃないの?
「……分かったか?」
男の言葉に拍子抜けたあたしはとりあえず静かに頷いた。
「男3人で女1人か………どんだけ欲求不満なんだよ。ああ、そうか。1対1じゃ、不安なわけ?」
あたしが頷いたのを確認してか、金髪不良男は耳元に寄せた顔を上げ、静かに言い放った。
「はぁ? てめぇ……」
「なんだよ?」
今にも殴って来そうなほどの迫力があるのに、後ろにいる男は随分と冷静。プラス、余裕もある。
「とりあえず女返してくんないかな? 俺達が先に声かけたんだけど?」
「へぇ……だから?」
あっけらかんとした男の態度に、前にいる男達は一瞬眉を寄せた。が、しかし、一人の男がグルリと首を回す。