オレンジ色の奇跡
ちょ、ちょっと! いくらなんでも挑発し過ぎなんじゃ……ほら、あっちの目の色がっ。
「……いい加減にしろよ」
男3人の視線が金髪不良男に集中した。
ポン……ポン……。
――あと1回
「……俺達に勝てると思うなよ?」
男が金髪不良男を殴ろうとしたとき、
……ポン。
3回目の合図がやってきた。
あたしは、合図と共に緩んだ金髪不良男の左側からスルリと抜け、公園の出口に向かって思いっきり走った。
「あ、おいっ!! てめえ! 何逃がしてんだよ!!」
「逃げちゃった」
「ふざけんじゃねぇっ!!」
あたしが去った公園からはバキバキと身体がぶつかり合う音が響いていた。