オレンジ色の奇跡


◆……

「ねぇ………舞希ー。最近、岩佐先輩と仲良いよねー」

「梨海ちゃん!それ私も思った!」

「えっ?」

「だってさ!ここ最近朝も帰りも一緒じゃないっ!」

 そういえば………。

 岩佐先輩が家に泊まってから1週間登下校が一緒だ。

 ただの偶然だろうと思ってたからたいして気にしなかったけど……。

「岩佐先輩の家あたしの家と同じ方向だって言ってたよ?」

 岩佐先輩は同じ方向だって言っていたから朝も帰りも一緒になることがあたりまえのように感じていた。

「そっか…。そういう偶然もあるのかな?」

「あたしも偶然だと思うけど…?」

 それでも梨海は、まだ納得してない様子。

「けどって何よっ?けどって」

 あたしが聞いても「うーん…」と唸ってばっかり。

「あっ!!」

 急に優衣が立ち上がり大きな声を出した。

「「どうしたの?」」

 あたしと梨海は同時に口を開いた。

「舞希ちゃんっ!梨海ちゃんっ!次、移動授業だっ!」

「「げっ!」」

 あたしたちは、急いで授業の準備をして教室から出た。



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