オレンジ色の奇跡

「はぁ…。あのさ……、あたし。



岩佐先輩が好きなんだと思う…」

「………やっぱり」

　梨海は思ってた通りだと言わんばかりにウンウンと頷いていた。

「えっ？えっ？す、好きっ？」

　優衣は口をパクパクしている。

　たぶんまったく違う話を考えてたんだろうな。

「舞希やっと気付いたねー」

「えっ？」

　『気付いたね』って、えっ？

「だってさー、舞希いつも岩佐先輩と話してるとき幸せそうだったから。
こんなことじゃないかなーてねっ♪」

　まわりから見てそんなに幸せそうだったのか……。

　今度から気を付けなくちゃ。

「舞希ちゃん……頑張ってっ！」

「うん、頑張るよっ！！」


「……別に頑張る必要ないと思うけど」

「ん？梨海なんか言った？」

「なんでもなーい！」

　梨海が何か呟いた気がしたけどたいしたことじゃなさそう。

　岩佐先輩と帰り一緒になったら何話せば良いのだろう、とか緊張するだろうな、とか今から頭がいっぱい。