オレンジ色の奇跡
◆……
「………すけ…………啓輔!」
「………んぁぁあ……」
「起きろよ。授業も掃除も全部終わったぞ」
「あぁ………」
屋上で寝ていると祥也が起こしに来た。
「今日も舞希ちゃんと帰るんだろ?はやく行かなくていいのか?」
ここ1週間俺は相川と朝も帰りも一緒。
晴樹さんのことがあったからっていうのもあるけど、一番は俺が相川のことが心配だから。
1週間くらい一緒になってるんだけど……。
イヤがらないってことは、少し期待してもいいのか?
「こっから相川が見えたら追いかける」
「晴樹さんは平気だって?」
「あぁ。兄貴に聞いたら怪我はそんなでもないらしい。
でも、相手が悪かったからな……。もうしばらくは、な」
「でも、朔真さんと晴樹さんなら相手の弱みを握って………」
朔真さんと晴樹さんなら、もう弱み握ってんじゃねぇか?
でも、短時間じゃ、警察に突き出すまでは無理、か。
「だろーな。おっ?相川来た来た。
じゃな、祥也。起こしてくれてありがとな」
「いーえっ♪」
俺は屋上をあとにして相川の背中を追った。