ヒトメボレ[完]
今度は、朝とは違うあなたをみせてください。


つながれたこの手は、夢じゃないよね?


なごり惜しみつつも電車を降りるのは私が先で。

私の次の駅で降りるんだという彼と別れてから、すぐにもらった名刺に書かれた電話番号とアドレスを登録。

ふるえる手を深呼吸して落ち着かせてから、私のアドレスと電話番号を伝えるために送ったファーストメール。

すぐに返事が返ってきて、今日は仕事を定時に上がるから会いたい、と書いてあった。

ああもう、どうしよう、私も仕事なんてできないかも。

このままさぼって彼を追いかけていきたい気持ちを抑えつつ、まるで学生の頃の自分に戻ったように浮かれていて。

仕事の終わる予定の時間を返信し、あわてて会社へ向かった。
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