ヒトメボレ[完]
「はは、大野さんって。ヨシキでいいです」

私の前に立ち、そう笑う彼は、やはり私よりも背が高くで。

背の高い私でも少し見上げるくらいの彼は、それだけでどきどきしてしまう。

すらっとしたスーツをきれいに着こなしていて。

足もとからネクタイまでなんだかとってもおしゃれ。

営業さんだって言っていたけど、こんなさわやかな人が来たら、話聞いちゃうよね。

惚れたなんとかって言われても仕方がないけど、とにかくもうどきどきがとまらない。

「お腹すいてませんか?どこか入りましょうか」

定時で仕事を終えてすぐだったけど、気がつけば19時を過ぎていて。

改札の前で思ったよりも長い時間を過ごしてしまったようで。

ふわっと自然に私の手をつかんだ彼。

緊張して手に汗、汗が・・・!!!
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