ヒトメボレ[完]
SIDE ヨシキ
大学入学と同時に住み始めた今の家も、かれこれ10年。
去年彼女と別れたのを機に、引っ越しも考えたけど仕事が忙しくて部屋探しもろくにできずに今に至る。
毎朝同じ時間の同じ車両に乗り、今日も本を片手に会社まで揺られて過ごしていた。
始発に近いこの駅からだと、俺の乗る時間は必ずと言っていいほど座ることができて。
いつもほぼ同じ場所に座っている俺。
あ、また居た。
いつからだろうか。
ふと気が付くと、必ず俺のそばに立っている女の子。
目が合うことはなかったけど、でも彼女も毎日この車両に乗っているということに気がついたのは先週だっただろうか。
単なる偶然だと思っていたけど、今週もずっと同じ車両。
それも、俺の視線に収まる位置にいつもいる。
去年彼女と別れたのを機に、引っ越しも考えたけど仕事が忙しくて部屋探しもろくにできずに今に至る。
毎朝同じ時間の同じ車両に乗り、今日も本を片手に会社まで揺られて過ごしていた。
始発に近いこの駅からだと、俺の乗る時間は必ずと言っていいほど座ることができて。
いつもほぼ同じ場所に座っている俺。
あ、また居た。
いつからだろうか。
ふと気が付くと、必ず俺のそばに立っている女の子。
目が合うことはなかったけど、でも彼女も毎日この車両に乗っているということに気がついたのは先週だっただろうか。
単なる偶然だと思っていたけど、今週もずっと同じ車両。
それも、俺の視線に収まる位置にいつもいる。