Moon Venus
パレスの急な受け入れに、問題なく入れるクローディアも中に足を踏み出すこと
が出来ずにいた




パレスの中から詩音はメリザを呼んだ


「メリザ。おいで。パレスがみんなを受ける入れるって」

ティナと手を繋いでいない方の腕を、中からメリザに伸ばした


陛下のクローディアやシャロン、騎士団長の4人の真ん中を歩くことに戸惑った
が、中にいるシオンは優しく微笑んで待っている


意を決して頭を下げながら、クローディアの横に並ぶと
無言で二人は頷いた


メリザがパレス内に足を入れても、パレスは拒否しなかった


中のパレスは、気を失いそうになるくらい美しくて、気を失う前に駆け足でシオ
ンの手を取ったが、シオンに触れた瞬間、遠のきそうだった意識はフッと無くな
った



ティナとメリザと3人で奥へと行くのを見て、クローディアもやっとパレス内へ
入った


「あっ!」


何か思い出した詩音が

「ティナ、ちょっといい?」

二人一緒に握っていた指輪とネックレスのうち、指輪を抜き取って、反対の手を
握っていたメリザと一緒に握り直して、また歩き始めた


ティナとネックレスを握り、指輪をメリザと握った詩音


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