Moon Venus
だってそこに描かれているのは紛れもなく、あたしだった


音もたてずに落ちたショール



首だけで後ろを振り返っている、肖像画の人物はメリザから見ても明らかに詩音
そのもの


そして、ティナも気が付いたのか、あっ と握っていたものを見ようと手を緩めた
ら、詩音にギュッと握られ、詩音はただ微笑むだけだった






…詩音……こちらへ





そう頭に響いた声は、詩音と手を繋いでいるメリザとティナにも聞こえた




キョロキョロと当たりを急に見回したメリザとティナにクローディアはすぐさま
反応し、詩音だけがこの空間の外を見ていた





…詩音………聖石へ…






頭の声がまた聞こえると、メリザとティナも空間の外へ目を向けた


それも同時に




なんだ?と思って3人を見るクローディア
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