年上彼女と年下俺様
玄関から出て行かない拓海…。



「里佳…。今までごめん…。でも俺は…。お前の事すげぇ好きだった。」

「もうイイって…。」

「お前が俺を見つめてる視線がすげぇ好きだったから…。自分勝手でごめんな?」



そんな風に思ってたなんて知らなかった…。



ちゃんと…。



両想いだったんじゃん…。



「早く行きな?」

「最後に抱きしめてイイ?」

「ダメ。拓海…。」

「ん?」

「子供…。幸せにしてあげてね?」

「…………おぅ。」



パタンと閉まった玄関のドアを見つめながら泣き崩れた。



拓海に声が聞こえないように必死に声を我慢した。



好きだよ~…。



拓海が好き…。



苦しい…。



そのまま朝が来るまで泣いた。



大切な物は失ってから気付くってこう言う事を言うんだと改めて実感した。



気付けばバイトの時間。



顔を洗って気合いを入れ直した。



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