年上彼女と年下俺様
気まずい…。



「この前泣きそうな顔して俺ん家来てさ、『里佳と別れた』って言って号泣された。」

「すいません…。」

「里佳チャン悪くない。拓海が悪い。最後は『里佳を幸せに出来なかった分、産まれてくる子供を幸せにする』って言ってた。だから今頑張ってるよアイツ。」

「ならよかったです…。」



ちょっと心が痛むけどやっぱり間違ってなかったんだと思う。



あたしも先に進まなきゃな…。



「学先輩、失恋の傷はどうやったら消えますかね?」

「消えないと思うよ~。だから皆その傷を癒してくれる人を見つけるんじゃないかな?」

「何か学先輩の柄じゃな~い!!」

「精一杯慰めてんの!!」



久しぶりに笑った気がした。



拓海の周りにもイイ人がいてよかった…。



これからも拓海の支えになってあげてほしい…。



「里佳チャン。お待たせ。」



この声…。



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