年上彼女と年下俺様
コトッと目の前に置かれた缶酎ハイ…。



「快気祝いに祝杯じゃ。」

「乾杯。」



一緒に飲んだ。



顔の痣は消えてる…。



身体は?



バッとトレーナーをめくってみた。



「何すんの!?」

「あ、痣消えたかと思って。」

「消えてないよ~…。背中にくっきり蹴られた跡がある。」



マジだし…。



治りかけだけど痛そう…。



「でも心のが痛い。」

「何で?」

「言われたんだよね、『拓に捨てられた女』って…。そう見える?」



何て言えばイイか…。



見えるけどな。



「捨てられたら拾われればイイ。」

「誰に?」

「もっと上の男。」

「………あたしなんか誰も見向きもしないよ。」

「ネガティブになってりゃ幸せも素通りするな。」

「あんた本当にムカつく。」



思った事言っただけだけど?



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