年上彼女と年下俺様
久しぶりにそんな甘い雰囲気だった。



「里佳。」

「はい!?」



改まった響になんだか不安になる…。



何で真剣な目なの…。



「絶対離さないから。これから先、俺が里佳チャンの道になりたい。」

「えっ…。」

「迷ったりしないように俺がちゃんと進ませてやる。まぁ俺が迷ったら里佳チャンも道連れだけどな?」

「うん…。」

「来年、卒業したら世界に行く。」



世界…。



それってどんな意味…?



離れたりするって事?



「寂しい思いもさせるし、きっといっぱい泣かせると思う。」

「うん…。」

「その時は俺だって同じ。だから…お互いの為と揺るぎない誓い?」

「…………。」

「結婚して?」



響が出した小さい箱…。



少し照れた響と滲んで行く視界…。



「ひびっ…。」

「もっともっと大きい男になるから。絶対離したくない。親父んとこにも…行かせない。」



ブワッと溢れ出す涙を止められなかった。



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