年上彼女と年下俺様
タバコを吸い出した響を残して着替えてベッドルームを出た。



リビングのテレビの横に行くと大きなツリー…。



まさか響が…。



「里佳チャン、少し早いけど今日が俺達のクリスマスな?」

「どう…したの…これ?」

「収録で使ったセット。いらないっつーからもらっちゃった。雰囲気出すにはやっぱりツリーだろ。」



そう言って立ち尽くすあたしを横目にバスルームに消えた響。



泣けて来た…。



あたしがあんな事ばっかり言ってたからだ…。



響だってあたしの事ちゃんと考えてくれてる…。



しばらく泣いた後にキッチンに立って朝ごはんを作った。



濡れた髪の響が後ろからあたしを抱きしめる…。



「デートしよっか。」



首元で囁くように言う響に久しぶりのドキドキ…。



気持ちだけで嬉しいよ…。



「返事は?」

「うん…。」



また泣きそうになるのをグッと我慢した。



< 814 / 944 >

この作品をシェア

pagetop