年上彼女と年下俺様
車を見ながら放心してると隼人さんの車が車庫に入って来た。



「どうしたのこれ!?」

「ひ、響に当て逃げされた…。」

「うわぁ~…。派手にやったな響…。こりゃボンネット交換だ。」

「ボンネット…。」

「あっ、ドアも歪んでんじゃん。気の毒に…。」



ドアが歪んでる?



あたしの車…。



「な、治すから…ねっ?」

「何で早く言わないのぉ~!!あたしが初めて買った高い物なのにぃ~…。」

「ご、ごめん…。」



まぁ拓海が乗りたくて選んだ車なんだけどさ…。



中古車だし…。



「里佳、何万走った?」

「中古車だったからもう9万キロくらい…。」

「そろそろ替え時なんだって。イイ車なんだけど勿体ないねぇ…。」



車に向かって拝むように両手を合わせた隼人さんは颯爽と家の中に消えた。



替え時って言われればそうなんだけどさ…。



「新しく…しましょうか?」

「そうだね…。何かこの姿見たら諦めろって言われてる気がする…。」



さよならマイ愛車…。



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