年上彼女と年下俺様
そして皆よりひと足先に帰国した俺…。



言うべきか言わざるべきか…。



「ただいま…。」

「おかえり~!!凄いお疲れ様!!」

「あっ、うん…。」

「どうしたの?何かあった?」

「うん…。いや、ちょっと詩と和音は?」

「寝てるよ?」



言うべきだ。



離婚されても仕方ない…。



「里佳チャン、座ってくれる?」

「うん?」

「あの…俺…浮気した…。」

「えっ?」

「記憶がなくて覚えてないんだけど…朝起きたら知らない女が寝てて…。」

「本気?」

「はい…。」



放心した里佳チャンはしばらく遠い目をしてからゆっくり俺の目の前に来た。



バチーンと叩かれた頬…。



涙を溜めた里佳チャンが唇を噛み締めて立ってる。



「ごめんなさい…。」

「別れないから。響が誰を好きになっても…あたしは別れない!!誰にもやんない!!」

「里佳チャン…。」

「ムカつく…ムカつく!!人が必死に子育てしてんのに何やってんの!?」



心臓が痛い…。



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