キミまであと数センチ
「思ったより早かったな‥」
ハァ、ハァ‥
ゴフッ‥ケホッ、ケホッ
‥息をしすぎてむせた。
そんな俺を国見が見下ろし声をかける。
「間に合ったからって許した訳じゃねぇぞ!あれほど言っただろ、遅刻すんなって」
表情からは怒りの色が見える。
「‥‥。」
息を整え、立ち上がると国見から予想外の答えが返ってきた。
「罰として1週間、理科準備室の掃除」
《‥はい?》
「龍二‥ってめぇ!時間には間に合ったはずだろ?なんで俺が「間に合ったからだ!」
バシッ「!!」
国見の左手がおでこを叩いく。
「なっ、なにしやがる!!」
「熱はないな‥。」
国見が小声でつぶやくも俺の耳には届かない。
「体調悪い奴が全力疾走できるか!?嘘つくならもっとマシな嘘をつけ!」
「う"」
「あと‥何度言えば分かるんだ!俺はお前の担任だぞ。国見先生と呼べ!」
俺と国見の<関係>は学校側や友達にも知られてない。
知られると色々と面倒らしく国見から口止めされていたからだ。
「‥わ―かった。やるよ」
俺は昔からコイツにだけは逆らえない。