キミまであと数センチ


俺と国見は従兄弟で

偏差値の高いこの学校に入れたのはコイツのおかげ。


2年前

俺の志望校判定は絶望的で、そんな俺にスパルタで勉強を教え込んだのが国見だった。



口は悪いが根はイイ奴。


もっとも


そんな事は口が裂けても
本人には言えない。





「何してんだ?ほらっ、さっさと教室に行くぞ」
ぶっきらぼうに言うと国見が歩きだした。


「おう」
汗で濡れたワイシャツが肌に張りつく。



4月に入ったばかりだというのにまだ肌寒い。



俺はブレザーを羽織り、国見の後を追った。



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